会長挨拶
第23回日本臨床医学リスクマネジメント学会・学術集会 会長
櫻井 淳(日本大学医学部救急医学系救急集中治療医学分野 診療教授)
この度、第23回日本臨床医学リスクマネジメント学会を2025(令和7)年9月20日(土)にタワーホール船堀で開催させていただくこととなり、鋭意準備を進めております。
本学会では医療安全の実現のために、医療安全関連の学会として2002年に設立されました。学会機関誌「安全医学」を刊行し臨床医学における医療安全に関する学術活動の活性化を行うこと、毎年夏に医療安全管理者養成講座(医療安全セミナーを開催し医療安全を担う次世代を育成すること、医療安全の標準化のため「医療安全管理実務者標準テキスト」を刊行したことなど様々な活動を行ってまいりました。私も、これらの活動に従事しながら医療安全の実現に邁進して参りました。
当学会の機関誌「安全医学」にもございますように、医療安全は“医学”であり学問の一分野でもあります。安全を必要とするのは医療のみではないため、様々な分野が先行して研究を行っており、その総合知が医療安全に使われています。よって、医療安全を学問として捉えた際には、非常に肥沃な学際的な分野が広がっています。医学はもちろんのこと、心理学、法学、工学、社会学等の各分野の関りがあり、新たな学問分野である行動科学、失敗工学といった興味深い分野とも密接に繋がっています。今回の学会では、是非ともこういった各学際的分野で活躍する方々をお招きして、医療安全を科学的な面から最先端の議論を深めていきたいと考えております。
第23回大会においては、かねてより議論されてきた、ヒューマンファクター、レジリエンスヘルスケア、RCA、メディエーションといった医療安全に関する分野で、シンポジウムによりどの様な科学的なアプローチが可能か議論することで、今後の医療安全を担う皆様が、どうやったら良い研究ができるようにするかの道標を示します。また、行動科学における医療安全とのかかわりや、現在の法的な医療安全の問題点など、最新の情報をその道の最先端の方をお招きして講演いただきます。学会でのこれらの活動を行うことにより、国民の実生活への医療安全の発展に大きく貢献することを期待しています。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。